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少女時代12

私「いででででで〜、そんなに強く引っ張らないでー!」

友人K「いいから、早く、こっちこい!今日という今日こそ本気で怒ったからな!!」

私は友人Kに制服の首根っこを掴まれて、教室へ引きずり込まれる。
そして、廊下側の自分の席に投げつけられる格好で、着席する。

友人「お・ま・え・は〜!
   何度言ったら分かるんだ!!
   表で寝んなって、言ってんだろうが!!
   どこの世の中に、自転車置き場で大の字で寝る女子高生がいる!!
   一応、ここは共学だぞ!!
   お前は自覚が足んなさすぎるんだ!!
   しばくぞ!!」

私「えぇー!そんなぁ、だって、ホラ、ちょっと涼しい風が吹いていてさぁ。
  なんてーの?青く透明な睡魔を見たって感じ?」

友人K「言い訳をするなぁ〜!
    お前は狙われやすいッつってんだろ!!
    その上男子学生も惑わしてどうすんだ!!」

私「は?何で男子が出てくんの?」

友人K「お前は〜!アタシよりかわいい顔して何言ってんだ!!
    アタシがアンタのルックスだったら、男の一人や二人や三人や四人、転がしてオイシイ思いをしてやるのに!!こおの、どたわけがぁぁ〜!!」

私「何言ってんだK?それじゃ、私がかわいいみたいじゃないか?」

友人K「それじゃ何か?アタシがとんでもなく不細工だとでも言うのか!お前は!!
    この口か?それはこの口が言うのか?あぁん?」

私「ふぉめんなふぁい。わらひがふぁるかったれす。ゆうひてくらはい。」

私は友人Kに両手でほっぺたを両サイドにギリギリと引っ張られる。

お互いにハァハァ、と息をつく。

友人K「いいか、しんじゅ☆♪。
    くどいようだが、お前は霊媒体質なんだよ。
    自分の身は自分で護れ。
    それに男子学生を惑わすな。
    イヤなら、さっさと彼氏を作れ。
    それも霊能を消す一つの手段だぞ。」

私は左手の中指で目頭部分のメガネのフレームを持ち上げる。

私「…一つ、言っていいか?
  この環境で、彼氏を探すのは至難の業だぞ。
  見ろ、この荒れ果てた荒野を!!死屍累々の墓場だぞ!
  全国の純真な男子学生の皆さんががっかりする事請け合いだ!!
  皆、女を捨てた、猛者どもだ。
  こいつら全員、恋愛という戦場では不戦敗決定だ!!」

バンっ!と右手で自分の机を強く叩き、左手で教室内を仰ぎ、友人Kの視線を誘導する。

私達がいたのは、商業高校の女子クラス。

そこは、共学に比べて、きっと、いや必ず、とっても女子が荒んでいる。

足を広げて、スカートをたくし上げるのは当たり前。

そこに下敷きを差し入れ、少しでも涼しくなるようにウチワの要領で仰いでいる。

セーラー服の胸当て部分の布地を外して、ブラストラップが見えてもお構いなし。

ぐしゃぐしゃと、長い髪をヘアゴムで適当なアップヘアにして、机に突っ伏している生徒や。

机の足元に、白いソックスを干して、裸足で口を開けて寝ている奴もいる。

強者になると、なぜか、購買部もないはずなのに、教室内で、ガリガリ君をかじっている奴までいる。

友人K「…まぁ、今のお前のセリフも一理あるな。」

ウルセ−ゾ!しんじゅ☆♪、お前が言うな!!

不快指数あげんじゃねぇ!!このメガネ処女がぁ!!

お前、どうせわき毛ボーボーだろっ!!とかの怒号が飛び交う。

私「やかましいっ!ちゃんと、手入れしとるわっ!この非処女ども!!
  原チャリ通学してんのセンコーにチクるぞ!
  お前、無免許だろ!!さっさと、持ち主に返して来い!!」

てめぇ、覚えてろっ!!と悪人特有の捨て台詞を吐いて、薄っぺらい学生かばんに鉄板をしこんでいる女子生徒1名が教室を出ていく。

友人K「…お前って、時どきすげーな。
    あんな、おっかないのとどうしてタメ口なんだ?」

私「あぁ、あいつら、結構いい奴だぞ。食い物もくれるしな。」

友人K「お前のいい人の基準は食い物だけか?自尊心はないのか?」

私「何ソレ。食べれる?
  食い物の前には自尊心など紙屑同然、ペラッペラだ!!」

友人K「…話を戻そう。
    いいか、お前は霊的なガードができなきゃならない。
    男が駄目ッてんなら、自分の能力をあげろ。」

私「ん?私はたいして霊感もないけどな。週に3・4回金縛りに会う程度だ。」

友人K「…と・に・か・く。
    それじゃ、金縛りの時はどうしてんだ。」

私「どうもしない。ただやられっぱなしだ。
  死ぬかと思うくらい、重いものが体の上に乗っかっていて、苦しみ続けるだけだ。」

友人K「予兆はないのか?」

私「うーん、そうだな。寝る前にイライラすんな。
  そん時は必ずと言ってほど、金縛りにあう。」

友人K「姿は見えないんだな。」

私「なんか、ここ、空気悪いなって所か。
  しっかり見えることは稀だな。」

友人K「まぁ、よし。大体の位置がつかめれば、やりようがある。
    じゃあ、私の除霊方法を教えるよ。
    まず、相手の位置を掴む。
    そして、ソイツの回りごとガラスで固めるイメージをする。
    そして、ガラスを一気に粉砕する。粉々にな!
    これを強くイメージするんだ!!」

私「ガラス?なんだか、パリンと、簡単に割られそうなイメージなんだが。」

友人K「膜を張るイメージじゃない。ガラスに閉じ込めるんだ。
    分厚くて、固い。
    そうだな、黒色の特殊強化ガラスに漬け込むイメージを持つといい。
    さらに、合言葉なりしぐさを付け加えて、自分流にアレンジするといい。」

私「なるほど。それなら、できそうだ。合言葉ねぇ。」

友人K「渇でも、破っでも、いい。」

私「お、『カルラ舞う』(著:永久保 貴一)ね! 
  フーン、…じゃ、『コンセントレーション』だ!」

友人K「英語か?たしか、『集中力』だな。まぁピッタリといえばピッタリだが。」

私「ふふっ。ジャンプの好きな漫画でね。
  『ダイの大冒険』で、アバン先生が弟子ポップに言う名台詞があるんだよ。
  『魔法はコンセントレーションですよ、コンセントレーション!』ってね。
  除霊だなんで、なんだか、魔法使いみたいじゃない?」

友人K「…ま、健闘を祈るよ。
    しかし、霊の気配を感じれるなら、お前は相当霊感が強いはずなんだが…。」

まぁ、そんなこんなで教室でそんな話をしていたもんです。

他の女子も途中から話に加わって、心霊質問箱の問答集になっていきましたが。

さて、その数日後。

友人S「し・ん・じゅ・☆♪!
    フルーティな香りのする特別なキャンディ、いらない?」

私「頂く。」(←逡巡なし)

友人S(少女時代Hで体育倉庫に連れ込まれそうになった子)がニヤニヤしながら、私の手に個包装の物をポトリと落とす。

私「?」

私の手の中に入った物は全体的に赤やピンク地に、大小さまざまなハートマークがプリントされている。

その包装には英語でメッセージが書かれており、暑さが3mm程度しかない。

触ってみると、ぐにぐにとして柔らかく、ドーナツ型の形状をしているのが窺える。

一見して、食べ物の気配がしない。

キャンディだと聞いたが、グミなのか?と考えていると。

友人S「匂いを嗅いでみて!いい香りがするから!」

思わず鼻の近くに持っていくが、匂いは特にしない。

近くで包装に書かれた文字を読んでみる。

英語で「make lave]とある。

(愛を作る。きれいな言葉だな…。
 これでどうやって愛をつくるんだろう?
 ん?まてよ。メイク・ラブだと!!)

私「ッキャー!!」

と思わずそれを放り投げる。

友人S「やった!十秒持ったわよ!!私の勝ちね!」

友人F「ちっ、包装破るまで気づかないと思ったのに。」

友人Y「私は二十秒。くそ、負けた!」

友人I「二秒は大穴だと思ったのに…。お前鈍すぎ。」

友人S「さ、みなさん、匂いを嗅いだわよ。更に百円上乗せで頂戴!」

私「お・ま・え・ら〜!人を賭けで楽しみやがって!!
  なんのつもりだ!!」

友人F「私から、処女のお前にプレゼントだ!!
    ありがたくもらっておけ!!」

私「アホウ!今日は持ち物検査の日だぞ!!
  何のイヤガラセだ!!」

友人I「バレたら、間違いなく生徒指導室行きだな。
    ま、頑張れよ、しんじゅ☆♪」

友人Y「じゃ、そゆ事で。」

私「あぁ、みんな、これどーすんの!!」

友人F「ゴミ箱はまずいでしょ。
    ブラにでも入れとけば? 
    お前のスッカスカだし、ちょうどいいだろ。
    ま、刺激的な持ち物検査になるな。」

友人S「なんなら、私が入れてあげる!
    さ、制服脱いで!」

制服を必死で押さえながら、

私「お前ら、いい加減にしろぉ〜」(←泣きそう)

友人F「覚えてろって言っただろ。身から出た錆だ。」

と、みんな教室を出て行ってしまった事がある。

結局、友人Sが女の子用ポーチにしまってくれて決着がついたんだが。

…結構、いじられキャラでした。



                                   


この話を下書きして、一休憩いれていたら。

ミカエルさんが大ウケしてました。

私「そ、そんなに、笑うことないでしょお!!
  誰だって、子供の時あるんだから!!
  それにこの時、もうユアンさん、私のガーディアンだったじゃない!
  あなただって、この話、知ってるのになんでそんなに笑うのよ!」

と、私は自分の膝をペチペチ叩きながら不平を言うと。

ミ「あはは。ホントに君はかわいいね。
  よく、私の所に来てくれたね。あはは。」

といって、後ろからギュウギュウ抱っこされてしまいました。 

最近、ミカエルさんが、何か悩んでいる様子だったので、こんなに笑ってもらえてよかったなぁ、と思いました。



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