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少女時代27

友人F「あぁ〜、もう勉強やだ、やだ。やっぱ、私、恋に生きるわ。」

改造ロングスカートにピアスをした女子が、机に突っ伏して、プリントを床に落としました。

私「何現実逃避してんだ。
  せっかく商業高校に入ったんだから、きちんと手に職つけていけよ。」

私は彼女の机に向かって、問題の解き方を説明していたのですが。

友人F「いいの!女の子は恋に生きるものなの!」

友人はプリントを教室の床からひったくるように拾うと、薄っぺらい鞄に仕舞い込み、帰り支度を始めました。

私「女の子の賞味期限は短いだろう?
  恋だの愛だの、浮かれている奴は、脳が沸いているとしか思えないな。」

友人F「はぁ〜、これだから、真面目女子は。
    女と男は惹かれあうもの、これ運命ね!
    かわいい女の子には恋愛のチャンスが多く巡ってくるもんなの。これ必然。」

私「や、恋愛に反対な訳じゃなくって。
  女性の魅力のうち、かわいらしさとか若さって、一番はかないものだからさ。
  もっと、他の所で女を磨けって話。」

そこへ同じ部活に入っている悪友Mが通りかかりました。

友人M「お。何語っちゃってんの、しんじゅ☆♪
    お前、時々十代らしからぬ発言をしでかすよな〜。」

友人F「じゃ、そゆ訳で、M、しんじゅ☆♪は託した!
    さいなら〜!」

友人M「託される覚えはないがな。」

私「こらF!ヤバいって言うから勉強教えてんだぞ!
  せめて、きちんと出席しろよ!
  学校だけは卒業しとけ。」

友人F「あぁ〜ん、そんなの、彼次第よ〜!
    すぐにでもお嫁に行っちゃうかもね〜。バイバイ!」

薄っぺらい改造鞄(鉄板in)を小脇に抱えて、友人Fがにこやかに教室を出て行くと。
それと入れ違いに友人Kが入ってきました。

友人M「脳が沸いているな。」

私「あぁ、完全に沸いている。たぶん、ウニになってんだろう。」

友人M「私の予想だときっと、豆腐だな。プカプカ浮いてんだ。」

友人K「お前ら、人の頭ん中の事を勝手言いやがって、しかもおいしそうに(笑)怒られるぞ?」

私「しょうがない。恋愛至上主義なのは個人の自由だけど、あれじゃ進級もおぼつかない感じだし。
  どこに就職するにしても、高校だけは卒業しておいた方がいいのに、聞く耳もたないからな。」

友人M「お前、時々大人っぽい事言うな。
    それにしてもホントは恋愛羨ましいんじゃないか?」

私「羨ましくないわけじゃないよ。うん。
  恋に浮かれている女の子を見るのは、なんか、かわいいなぁって思うし。
  でも、男に人生を託すのはリスクが高いと思うんだ。」

友人K「へぇ。じゃ、しんじゅ☆♪は男に何を期待してんだ?」

私「そうだな。まず。金。」

友人M「リアリストだな。」

私「次に、金。そして経済力、そして、健康と、う〜ん、喰いっぱぐれしない頭の持ち主であること。あと貯金残高。」

友人K「ほとんど、金じゃないか。」

私「当たり前だ。金さえあれば、たいていのものが手に入る。」

友人M「人間性とかさ〜、他にもあるじゃん?大切なもの。男性に求める条件でさ。」

すると同じ部活に入っている友人Yが近寄ってきました。

友人Y「何〜?恋人に求める条件?私は性格が優しい人かな〜。」

友人K「Yちゃんらしい答えだな。
    ほら、しんじゅ☆♪、普通の女子高生はこんな感じだぞ?
    お前のは、なんか殺伐としてるぞ?」

友人M「まぁ、常識的に経済力を男性に求めるのは当然だとしてさ。
    それ以外には、何がいいんだ?私は家族を大切にする人がいいと思うな。」

友人K「趣味が同じとか、感性が近いとか、仕事に打ち込んでいるとかさ。友達想いとか。」

私「命を大事にする人かな。」

友人Y「お。大きく出たね。具体的には?」

私「暴力を振るわないとか、ロリコンじゃないとか、浪費家じゃないとか、借金しないとか。」

友人K「おいおい、なんか不穏な感じになってきたぞ?」

私「定職もしくは、定収入があって、足し算、引き算ができて、常識的な人間関係が築けて、保険にも入っているというか…。」

友人M「なんだろう…一見大抵の男が射程範囲に入りそうなんだけど、最初の発言と随分ギャップがあるぞ?」

友人Y「どったの?しんじゅ☆♪ちゃん。」

友人K「まぁ、待て、しんじゅ☆♪お前の男性観は分かった。
    それじゃ、お前にとって、一番大事なものはなんだ。」

私「命。」

友人K「命の次に大事なものは?」

私「水。」

友人Y「え。そこぉ?」

友人K「じゃ、その次は?」

私「食料。」

友人K「じゃ、その次は?」

私「いつ食べれるか。」

友人M「お前、ズレてるぞ?」

私「水や食料以上に大事なものがあるのか?命に係わる事だぞ。」

友人Y「家族とか。友達とか。愛とか。…信頼とか、絆とか。」

私「それじゃ、腹が膨れんだろう?」

友人Y「え。何この人?話が通じない。家族だよ?安心感とかさ。」

友人K「まぁ、待て。一応しんじゅ☆♪の言う事も一理ある。」

友人M「しかし、何かが足りないな…。
    お前の頭の中は、食い物の事だけか?」

私「私の頭の中は、食べ物が、食べれる時に、食べられるかどうかで一杯だ!」

友人Y「こ、この人、女子高生じゃない…。」

友人K「しんじゅ☆♪、どうも、お前、生まれてくる時代間違っているんじゃないのか?」

友人M「分かった!つまり、こうだ。
    コイツは喰いっぱぐれる事を心配している。
    だから、手に職を持つことを重要視しているんだ。
    そして金に執着するのも、結婚する男を信じていないから。
    そんなんだから、男に期待することもちぐはぐで。
    要するに、情緒が足りない、飢えているんだ。」

私「失礼な。リアリストだと言って欲しいな。」

友人Y「う。不憫な。ミルキーあげる。大きくおなり〜。はい、あ〜ん。」

私「あ〜ん。うぐうぐ。うまいな〜。Yちゃん、ありがと。」

友人M「さ、そろそろ部活行くか。」

友人K「ま、どっちにしろ、お前結婚難しそうだな〜。
    それじゃがんばれよ。」

私「う〜ん、それじゃまた明日ね!バイバイ。」



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