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少女時代29

先週は母の日でしたね。自分にとっては縁のない日ですが。

今週の頭に、仕事帰りに、カフェでお茶をしまして。

チーズケーキをオーダーしたら、すごくおいしいケーキでした。


                        

子供の頃の思い出がよみがえってきました。

実家は八百屋だったんですが、パンもあつかっていまして。

時々、ケーキが入荷することがあるんです。


父親は、まぁ、自営業の事業主ですから。

家族の事を、タダ飯を食わせてやっている、従業員、みたいに思っている所があって。


家庭での食材は基本、お店の売れ残りを食べていたので、ケーキなんぞは、言語道断な訳です。

(野菜や、果物の他に肉や、鮮魚、総菜も扱っていましたから、スーパーに近いですね)


そこで、母親は、父親が市場にいっている朝ごはんの時に。


母「お父さんには、内緒よ?」と言って、子供たちにケーキを食べさせてくれていました。


たまに父親に気づかれてこっぴどく母親が叱られていましたが。


子供心に、なんておいしいケーキなんだろう。

忙しい朝に慌てて食べなきゃならないのが残念ながらも、すごく嬉しかった覚えがあります。



                         


今、目の前にある、チーズケーキに比べれば、たいしたことない味だとは思うのですが。

それとはまた、格別な味わいがあったんだと思います。



そこで、ノンへミでフォーカス27へ行き、母親に会いにいこう、と思い立ちまして。

彼女とお話をしてきました。


そこでのやりとりは、いつか…。またいずれアップしたいと思いますが。

その時に、思い出したことを今回は書きたいと思います。


                          
     

母が市民病院で亡くなって、実家に帰ってきました。

耳や鼻に脱脂綿が差し込まれていた遺体の胸の上に保冷材の塊が置かれるのを私は間近で見ていました。

腹部が飢餓難民のように膨張していて、布を被せて覆ってもバランスが悪いため、胸の上にこうして置くのだ、と葬儀社の人が話していたように思います。


死化粧をした母は、入院していた時よりとても美しい顔をしていましたが。

もう、起き上がって、話しかけてはこないんだな、とボンヤリ考えていました。


『神様、お願い、いい子になりますから、お母さんを生き返らせてください。』


そんな事はドラゴン・ボールを7つ集めて神龍にお願いしない限り無理な話で。

いくら子供でも、あれが作り話だとは理解していました。


母親の遺体の側の大きな座布団の上に丸くなって、私はずっとそこで眠っていました。




暗闇の中で、母親がほほ笑んでいます。


私「お母さん、やっぱりお母さんが死んだのはウソだったんだ。

  さみしいよ、お母さんのご飯が食べたいよ。

  一緒に、帰ろう。」


私が母親に抱きついて、泣きだすと母親は私の両肩を掴んで、片膝をついて話し出します。


母「しんじゅ☆♪ちゃん、ごめんね。

  お母さんも、みんなに会えなくなるのはサミシイの。

  だから、お母さんは死んだけど。

  実は何度も何度もやりなおして、生きていたの。

  やり直したいって、子供たちに会いたいからって、何度も死んだことをなかったことにしてやり直していたのよ。

  それでも、もうお母さんはつかれたの。

  もう、十分頑張ったから、これで、おしまい。」


私「何を言っているの?よく分かんないよ。

  それなら、もう一度生き返って。」


母「うぅん、それはできないの。

  しんじゅちゃんも、見たでしょ?お母さんが死んだ後の事を。

  もう、みんな、お母さんが死んだことを認めているの。

  だから、もう巻き戻せないのよ。」


私「嫌だ。イヤだ。生き返って、帰って来て!」


母「しんじゅちゃんは、覚えていないだろうけど。

  しんじゅちゃんとは、子供の頃にお別れする約束でお母さんは、お母さんになったのよ。


  しんじゅちゃんとは、もう一緒に暮らせないけれど。

  しんじゅちゃんだけじゃない、お姉ちゃんや、お兄ちゃん、Kちゃんやお父さんとも暮らせないけれど。


  こうしてお別れすることが、お母さんの子育てなの。


  しんじゅ☆♪ちゃんは、ほんとうは強い子よ。

  いい子だから、頑張って…。」


                          


 

夢だったんでしょうか、フォーカスエリアでのやり取りだったんでしょうか…。

フォーカスエリアでのやりとりだとしたら、多分、私の自我フィルターはかかっていないと思います。



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