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夜明け前12

私はフォーカス100のミカエルさんの所へ移行します。

彼の邸宅に入り、途中、子供天使達にお茶を頼みつつ、書斎を訪ねます。

私「ミカエル…。」

書斎に入った途端、ミカエルさんが私の側に足早に歩み寄ります。
まるで、私が入って来るのをあらかじめ知っていたかのように…。

ミ「行って来たんだね、ルシフェルの所に…。」

そう言って、彼は私を抱きしめて、背中の羽根を撫でます。

彼の腕の中で、私は答えます。

私「えぇ。言いつけを何度も破って、ごめんなさい。
  でも、貴方の言う通り、危険な人物だとは、どうしても思えない。」

ミ「それは、彼が君を気に入っているからだよ。
  通常、天使があの領域に足を踏み入れたら最後、抜け出す事はほとんど不可能だ。
  君が特別なんだよ…。」

私「…そうかも知れません。
  露悪的な態度をとりつつも、なぜか彼からは愛を感じます。

  私が子供の頃から、何度も彼に会っていたせいかもしれませんが、彼には親しみを覚えます。

  そして、私は統合を持ちかけました。 

  しかし、彼が私に与えたのは、他人のへミシンカーの能力です。
  彼は気に病むな、と言っていましたが…。

  私自身では、この能力を彼に戻す事はできません。
  ミカエルさん、あなたならできますか?」

ミ「いいや。それに彼の言う通り、君が受け取ったものだ。
  君自身のものにしなさい。」

私「そうですか…。
  随分と、私に都合のいいような説明をされたものですから…。
  そういえば、よく意味のわからない事を言っていました。」

ミカエルさんは私を抱きしめる力を強めます。

私「ミカエルさん、苦しい。
  もうちょっと、力を弱めて。」

ミ「ん…。」

ミカエルさんが腕を離したので、私はプハッ!と息をします。

私「ミカエルさん、この力を頂いた結果、背中の羽根が成長しました。
  これで16枚、生え揃ったことになります。
  なんだろう…。ルシフェルさんも、私を育てているって事でしょうか?」

ミ「…もう、彼の元に行かないで、僕の天使。」

そう言って、再び、彼が私を抱きしめます。

私「ミカエルさんが、そう言うのなら、もう行きませんよ。」

ミ「…もう、遅いかもしれない…。
  彼は君に目をつけた。
  だから、君に彼を会わせたくなかったんだ。」

私「ミカエルさん?それともユアンさんなの?
  でも、大丈夫ですよ。
  私は貴方の側を離れませんから。」

ミ「私の花嫁。私だけの…。」

ミカエルさんが涙ぐんでいます。

私「ミカエルさん?
  泣かないで。
  私は貴方と愛し合って、幸せですから。
  ルシフェルさんが、何か言っても、気にしないで下さい。

  人間の私をお嫁さんにしてくれて、ありがとう。
  でも私は心苦しいのですよ。

  人間の私が貴方と愛し合っていると、貴方に天使の子供を産んであげれない。
  あなたは大天使なんでしょう?
  私では貴方に家族を増やしてあげられない。

  だから、私は貴方の家庭を守りたい。
  それでつい、ルシフェルさんに文句を言いに行ってしまいましたが…。

  これからは、やめにします。
  きっと、彼も寂しかったんだと思います。

  一緒にお茶でも飲めればいいのですけれど…。」

そう言うと、彼は私に口づけをして来て。
そのまま私を抱いて、書斎の奥へと引っ張って行きました。

結局、子供天使達が用意したお茶を無視して。
二人で愛し合っていたのでした。



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