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夜明け前30

今年のゴールデン・ウィークはそんな感じでした。
彼らと会えない寂しさも手伝って、休日にはブログの記事を連続更新していました。
そのころは、『花嫁育成中』を書いており、内容がとくに楽しく、コメント欄も毎日盛況でした。

(あはは。皆、面白いこと書いてくるなぁ。
 なんか、エサをねだる、雛鳥みたいだ。
 ブログの記事、早く読みたいってねだってきて、かわいいなぁ。)

沈んだ気持ちも、パソコンを開くと浮上してきます。
ブログを書いている間は、彼らとのやりとりが鮮明に思い出されて幸せな気分に浸れたのでした。
実際には、彼らの姿を見ることも、声を聞くこともできませんでしたが、思い出の中の彼らはキラキラしていて、本当に幸せでした。
私は涙を流しながら、毎日ブログを書いていたのでした。

平日になり、仕事に行きます。
5月に入り、残業時間も随分短くなって、帰宅は9時、10時になりました。(←この感覚もどうかと…)
帰るなり、PCを開いて、彼らのコメントを読むのが、楽しみになっていました。

そうして、幾日かが過ぎていきます。
知覚が衰えたとは言え、以前は空気の塊として感知できていた、彼らの気配がパッタリと消えてしまいました。

(ミカエルさんがしばらく戻らないかもって言っていたから会えないのは分かるけれど。
 ラファエルさんが現れないのは何故だろう…?
 二人とも、仕事が忙しいのかな?
 それにしても、一言ぐらいあっても良さそうなものなのに…。)

最初は、ただ寂しかっただけだったのですが。
次第に私の体に異変が起きてきました。

(…苦しい。ミカエル、ラファエル、なぜ私を抱きにこない…?
 寂しいとかいうレベルじゃない。
 彼らが欲しくて欲しくてたまらない…。)

私は強い欲求不満になってしまっていたのでした。
考えてみれば、ミカエルさんと結婚してからというもの、生理中も含めて毎日Hをしていたんです。
震災の少し後の数日間を除いては、本当に毎日彼らに愛されていました。

あの時も、かなり強い欲求不満でしたが、今回は長い。
次第に焦燥感が募っていきます。

(まだだろうか…。
 今夜は会いに来てくれるだろうか…。)

そうして日にちを重ねても、彼らからの音沙汰はありませんでした。
フォーカス21に行っても、フォーカス100へのホットラインを見つけることはできませんでした。

(もう、誰でもいい…。
 誰が私を抱いて欲しい…。

 いっそお金を出して、男性を買えるものなら、買いたい…。
 苦しい…。どうすればいいんだ…。)

次第に私の同僚を見る目がいやらしくなっていきます。
いっその事、私に気がある上司を…と不埒な考えが浮かんできます。

(マズイ、かなりキている。
 こんな事になるなんて…。
 彼らに会いたい。というかHしたい。
 気が狂いそうだ…。)

それでも、彼らに会うことはかないませんでした。
私は眠れぬ夜を過ごすことになります。

(もう、ダメだ…。
 我慢の限界だ…。

 こうなったら、陰のガイドを呼び出すか?
 ルファさんなら、喜んで私を抱くだろう…。

 だが、彼の事が好きだが、友人として好きだ。
 男女の仲にはなりたくない。

 いっそ、他の陽のガイドを呼び出すか?
 陵王とか、ミシェルとか。

 初対面で押し倒して来た輩だ。
 喜んで相手をしてくれるだろうが…。

 あぁ、この際、姫鹿さんでも、いいか。
 妻になれとか言っていたし…。

 くっ、ガイドをなんだと思っているんだ、自分。
 自分の欲望のために、彼らを利用するなんて、浅ましい考えを…。)

なんとか、自分の欲求を押さえ込もうとしましたが、我慢の限界でした。

(人間なら、人間らしく、こちらの男性を誘うか?
 この際、誰でもいい…。

 しかし、生身の男性だと、後が厄介だ。
 とはいえ、ガイド達も自分の都合で振り回したくはない…。
 こうなったら…。)


私は意識を暗闇に飛ばしました。
星のない夜の砂漠を抜けて、谷間にそびえたつ宮殿の前に距離を置いて、静かに降り立ちます。

私は胸の前で拍手を打ちます。

パンッ!

私「コンセントレーション!サイコメトリー!」

相手の気配を察知して、瞬間移動します。

私の目的は…魔王に会うことでした。



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