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夜明け前26

〜〜しんじゅ☆♪からのお知らせ〜〜


今回の記事は大変過激な表現が含まれています。

未成年の方、女性、感受性の鋭い、繊細な方。

現在体調や気分が優れない方は読み飛ばしていただきたいと思います。

楽しい記事を期待されている方も飛ばしていただきたいです。

お知らせでこの体験の概要を後で説明させていただきますので、ご安心ください。


この記事を読んで、読者の方に気分を害されたくありません。

しかし、自分が体験したことを公開するのが信条ですので、やはり記事にしたいと思います。

この出来事は4ヶ月前の出来事で、私自身はもう気にしていませんから。

この記事を読まれた方は、私を心配する必要は全くありません。

また、この体験は私個人がしたもので、他の方にあてはまるものではありません。

ヘミシンクをすると、このような目にあう、というわけではありませんので。

その点は誤解なきよう、ご理解をいただきたいと思います。


今回の記事は長くなる予定です。

それでは、どうぞ。


                                                            



その言葉は、口からついてでたものでした。
本当に、無自覚に。
自然に口にしていたのです。

(はっ!一体何を言ったの!私は!)

自分の発した言葉の意味に気づく間もなく、ルシフェルさんにローブの裾をめくられ一瞬で下着を剥ぎ取られていました。
そしてそのまま、床に押し倒されます。

私「ルシフェル!やめて!今のは…。」

ル「………。」

本当に一瞬の間に彼に体の自由を奪われていました。

私「嫌!やめて!」

既に体が繋がっていて、私の体は力強く揺さぶられていました。

私「嫌!離して!お願い。こんなつもりじゃなかったの!」

ル「………。」

私は激しく抵抗しましたが、体がびくともしません。
涙を流しながら、必死に体を彼から離そうとしますが、両手で腰をつかまれ、身動きができません。

私「そんな!バカな!ヤメテヤメテ!嫌!」

ル「…愚かだな、緑の姫君。
  なぜ、自分だけ安全だと思っていた?」

私「そんな!あなたと私は同一人物!
  なぜ、私を傷付ける事をするの!ヤメテ!イヤー!」

ル「それが、愚かだと言うのだ…。」

私は涙を流しながら、必死に逃げ出そうとします。
意識をローカル1に飛ばして、逃げ切れるはずでした。

しかし、自宅のベッドの上に仰向けに横たわっていた私の肉体は、激しく振動をし続けています。
瞳をあけると、背筋が曲がったまま、腰が宙に浮き、つまさき立ちしたまま、細かく振動を続けています。
腰を強く掴まれ、両肘を使って、背後に後ずさろうとしても、身動きがとれません。
涙を流しながら、自分の腹の上を両手で払いのけるしぐさをするのですが、空を掴むだけで、自分の腰は宙に浮いたままです。

(バカな!目に見えない!物質化していないが、ローカル1の私の肉体を支配している!
 こんな!こんな体勢で体が動くなんて、自分一人では不可能だ!
 怖い!なんてことなの!)

私は涙を流しながら、彼がいる辺りを手で必死に払いのけようとしますが、まるで手ごたえがありません。
そのまま、逃げ出そうとしても、無理やり押さえつけられ、無理な体勢で乱暴され続けます。

(これが!これがレイプか!)

私は以前、ミカエルさんにローカル1で乱暴された時のことを思い出しました。
あの時も、私は必死で逃げ出そうとしても、無理やり彼に抱かれましたが。
それでも、あれは彼が手加減していたのだという事を、思い知らされました。

それまでも、ミカエルさんやラファエルさんに抱かれていると、ローカル1の私の体が、フォーカスエリアとまったく同じ動きをしていたのですが。
それは、実は私自身で体を動かしているのでは?私自身の妄想なのではないかと少し疑っていたのですが。

この時の体勢はあまりにも自分一人の力ではできない動きだったので、恐怖を覚えました。
またミカエルさんに乱暴されていた時は、ローカル1で彼のいるあたりに手を向けると、バチンと弾かれたので、目に見えないが、確かにそこにいる、という感覚があったのですが。
ルシフェルさんは、まるで手ごたえが無いにも関わらず、私の体を自由にしていたので、より恐怖を感じたのでした。


瞳を閉じると、マスカット・グリーンの瞳をランランと輝かせながら、ルシフェルさんが私を嬲っています。

私はミカエルさんの言葉を思い出しました。


ミ「君は娼婦だ!
  
  〜今すぐ私なしではいられない体に作り変える!

  〜君の愛は深く、際限が無い。渇えた男達に体を開くことをいとわない〜。」


(これか!この事だったんだ!ミカエルはこの事を予見していたんだ!)


私は涙を流しながら、ルシフェルに懇願します。

私「お願い、離して。ごめんなさい、そんなつもりじゃなかったの!
  離して!もうヤメテ!」
 
ル「愚かだな、緑の姫君。
  自分だけは安全だと思いこんでいたか?」

私「そんな!あなたと私は同一人物。自分を傷つけるなんて…!」

ル「それが、愚かだというのだ…。
  大天使達は忠告しなかったか?

  お前は自覚が足りない。
  お前は自分が周りの者からどのような目で見られているか、まるで分かっていない。
  特に男達にな…。

  くく。
  緑の姫君。
  タダの普通の女だと謙遜する事はないぞ?
  なかなか具合がいい…。
  大天使達をたぶらかすだけの事はある。

  お前は自覚がないな。
  この美貌だ。
  お前を妻にと望む男達にお前は気づいていないだろう。

  そして、この容貌(カオ)にこの肢体(カラダ)にこの魂の輝き。
  …美しい。

  気に入ったぞ。
  私のモノになれ。」

私「嫌!イヤー!ヤメテ!何を言ってるの!離して。助けて!」

彼はさらに無理やり体を押し付けてきます。
意識体に痛覚がない私でも、ローカル1の肉体は無理に体を捻じ曲げられて、全身の筋が痛んで苦しみます。

ル「くく。愚かだな。
  大人しくしろ。

  今までも男達に襲われただろう?
  お前が無傷だったのは偶然だと思うか?

  ここには天使の加護がないぞ。
  お前が自分から飛び込んできたんだ。」

私「嫌!嫌!助けてミカエル!助けてラファエル!」

ル「くく。お前、残酷だな。
  この修羅場をあいつらに見せ付けるのか?
  く。お前の声はあいつらに届かない。
  
  ここに天使が入ってくるのは自殺行為だ。
  お前が無事なのは、特別だ。
  お前が人間で、私の魂を持っているからだ。

  お前の言うとおり、お前と私は同じ魂だ。
  
  くく。
  大人しく天使どもの言う事を聞いていればいいものを。
  そうすれば、中途半端な力をもつ、ただの人間としていられたものを。

  ふ。美しい、美しいな、緑の姫君。
  ちょうどいい。 
  ミカエルを辞めて、私の妻になれ。」

私「イヤー!お願い、離して。あぁ…。」

ル「どうした?悲鳴が甘くなってきたぞ?」

私「もう、許して…。お願い。」

ル「ふ。正直になれ。感じているんだろう?」

私「う…。ルシフェル…。
  気持ちいい…。もっと…。」

思わず両手で彼の背中を抱きしめます。

ル「くくく。愚かだが、美しい…。
  大天使どもにはもったいない。 
  私の妻になれ。」

私「イヤ…。私は…ミカエルの…妻…。」

ル「ミカエルの妻が、聞いて呆れる。
  さぁ…。」

私「あ…。ルシフェル…もっと…。」

ル「ふふ。私のモノになるんだ。」

私「イヤ…。私は…ミカエルの…。」

すると、脳裏に鮮やかなマリンブルーの水面の揺らめきの映像が浮かびます。

私「はぁはぁ…、青い水…。」

すると、ルシフェルはビクッと体をすくませ。

ルシフェルはやっと体を離してくれました。
私が息を荒くしていると、再び彼が問います。

ル「私の妻になれ。緑の姫君。」

私「はぁはぁ。嫌。従わない。あなたのものにはならない。」

彼が手の平をかざします。
するとどこからともなく、私の体の周りに透明な黒い水が溢れ出し私を飲み込みます。

目に見えない水槽があるかのごとく、私は透明な黒い水の柱の中に閉じ込められます。
私はゴボゴボと黒い透明な水に溺れながら。

(しまったっ!!意識が呑まれる。
 これでは冥王ハデスに拉致されたペルセフォネと一緒だ!)

視界が灰色に染まり水の揺らめき越しに、黒いローブを身に纏った美貌の魔王が腕を組んで嗤っているのを見た気がしました。









気づくと、暗がりの中で横たわっていました。

(はっ!濡れていない。服も着ている…。もしかして、夢?
 えっ?ここどこ?)

私は白いローブを着た姿で暗い檻の中に閉じ込められているのに気づきました。
鉄格子が20cm間隔ではめこまれ、高さが1・5mほどしかありません。
立ち上がることはできませんが、どこかの室内にいる事は見て取れました。

私は自分の両腕を掴みながら震えます。

(夢…。夢だったらいいのに…。)

自分の体にルシフェルさんから受けた暴力の感覚が生々しく残っています。

すると、ドアの開く音と、コツコツという足音が聞こえます。
鉄格子を掴みながら音のするほうを見上げると、ルシフェルが佇んでいます。

ル「気づいたか。」

私「ルシフェル!ここは?!出して、帰して!」

ル「あぁ、出してやるとも。あのくらいでは満足できないからな。」

ルシフェルが鉄格子のドアを開けると、その目の前に大きなベッドが設えてあるのが目に入ります。
彼の寝室に檻が置いてあったのです。
私は思わず、鉄格子にしがみつきますが、彼に強引に引きずり出されます。

私「ヤメテ!」

ル「ふふ。」

結局強引に乱暴されてしまいます。
涙を流しながら、必死で彼を押しのけようとしますが、意識をローカル1に戻しても、
私の両手はやはり空を切るだけ。
あまりに強引なやり方に、ミカエルは手加減していたんだ…と思い知らされるのです。

私「うぅ。もう、帰して…。」

ル「あぁ。飽きたらな…。
  退屈だったんだ。お前が飛び込むまでは。」

私「分からない…。あなたは私自身のはず。
  なぜ、傷つけるの…。」

ル「くく。大天使達の忠告を無視するからだ。」

私「なぜ…。あなたはガイドじゃないの…。」

ル「お前と私は同じ魂。
  お前を作ったのは、この私だ。
  いわば、産みの親とも言えるな…。
  
  お前、ミカエルが自分の弟だと知ってて交わっていたんだろう?
  ラファエルが自分の父親だと分かっていて愉しんでいた。
 
  く。現世でも自分の父親とセックスをして…。

  あぁ、ジャンヌの時は血の繋がった兄に見捨てられて磔にされてるな?
  片や国王でお前は魔女だ。
  
  つくづく男で不幸になる女だ。
  私はお前の魂の父親だ。
  お前好みの近親相姦という奴だ。
  
  今までさんざん大天使達と愉しんで来たんだろう?
  私にもたっぷり蜜を味あわせてもらおう。

  くく。 
  お前と交わるとエネルギーが満ちてくる。
  いいぞ、緑の姫君。
  お前は愚かで美しい。」

私「そんな…そんな!
  嫌!ヤメテ!」

彼の乱暴は続き。
次第に私はあきらめの境地になっていきました。

ふと、脳裏に透明で鮮やかな水面の揺らめきの映像が浮かびます。

私「…青い、水…。」

一瞬、ルシフェルの体が硬直したかと思うと、いったん私から体を離します。

ル「お前…。」

私「…?」

私がいぶかしんで彼を見ると、私を警戒するような眼差しを向けています。

しかし、再び私を組み敷いて、乱暴を続けます。

彼との行為は、無理な体勢をとらされる以外は痛みがありません。
しかし、ルシフェルに乱暴されているという事実がミカエルに対する罪悪感となって、私の心理を圧迫していきます。
薄暗がりの中で、聞こえるのは自分の髪の毛がジャリジャリとこすれる音と、お互いの呼吸と、下腹部から聞こえてくる、グチャグチャという音のみ。

それが、余計に意識を遠のかせていきます。

(もう、何も考えたくない…。)

パンッ!

頬を強くルシフェルに叩かれます。
口の中が切れて、鉄の味がします。

ル「正気を保て。ほうけた女を抱いてもつまらん。」

瞬間、子供の頃から受けた虐待の記憶が蘇り、涙が溢れてきます。

私「イヤ。イタイ事しないで。いうこと聞くから。」

ル「く。足を開け。」

私「おとなしくするから、イタイ事しないで。おねがい。」

私の精神は子供に還ってしまいました。
涙を流しながらルシフェルに甘えます。

ル「さぁ、足を開け。かわいがってやる。」

そんな事を言わなくても乱暴をしているというのに…。
彼は私を精神的にいたぶるのが目的のようでした。

彼が強引に体内に侵入してきます。
体を激しく揺さぶられながら、涙を浮かべ、目の前の美しい顔を呆然と見あげます。

(いつまで続くんだろう…。
 耐えられそうも無い…。)

私を見下ろす麗人。

愛するミカエルと瓜二つのこの男。

完璧な相貌に納まるマスカット・グリーンの瞳はランランと輝き、より色素が薄くなっており。
まるでスプラッタ映画に出てくる、特殊メイク用のコンタクトをはめているようでした。

グリーン・アイズ・モンスター…

フランスのことわざだったろうか…

その意味は、嫉妬…。

涙を流しながら、意識が遠のきます。

ル「くく。面白い。
  お前を作ったのは私。
  私から派生した魂だ。

  お前の頭脳は特別だ。
  その様に作ったのだからな。

  こんな状況でも考える事も、記録を取ることもやめられない。
  正気など失わせはしない…。

  愉しませてもらうぞ、緑の姫君…。」


















気づくと、鉄格子の中にいました。

(はっ!夢!?服も着ている…。
 あぁ、でも、体中が痛い…。
 やはり、夢ではないのか…。)

鉄格子を掴みます。
なんとか脱出ができないか、試みますが、天使の力が全く発揮できません。
この中には能力を押さえ込む仕組みが施されているようでした。

暗がりに人影が動きます。

華麗な装飾が施された銀杯に口をつけながら、ルシフェルが私の側に寄って来ます。
つん、と芳醇なワインの香りがあたりに漂います。

ル「飲むか?喉が渇いているだろう。」

私「いらない!私を出して、帰して!」

彼はテーブルに自分が口をつけていた銀杯をコトンと置きます。

本当はすごく喉が渇いていたのですが、冥王ハデスに連れ去られたペルセフォネがざくろの実を食べた為に一年の内、数ヶ月地下で暮らす羽目になった神話を思い出して、断ります。

ル「そうか。まだ威勢がいいな…。
  では、退屈しのぎに愉しませてもらおう。」

私「嫌、嫌!!」

鉄格子にしがみつく私を引き剥がして、再びルシフェルに乱暴されてしまいます。

ベッドに押し倒されながらも、必死で天使の力を出して逃げ出そうとすると、彼が喉元を片手で押さえてきます。
すると、喉からシュウシュウという音がして、力が抜けていきます。

私「ぎゃぁぁあぁ!」

ル「くく。
  逃げられまいよ。」

私「あぁ…。」

全身の力が抜けて、自分では身動きがとれなくなり、彼のおもちゃにされます。
今度は私の全身を裸にして、噛み付いてきます。

私「イヤー!痛い!ヤメテ!」

ル「くく。痛覚は無いはずだ…。」

(くっ。そうだ、痛覚はないはず。
 まやかしだ。意識を保て!)

彼は私の足を持ち上げ、がっぷりと太股や、ふくらはぎに噛み付きます。
噛み付かれた箇所に歯型が強く押し付けられ、肉が食い込まれる感触はリアルに伝わります。

見る間に体じゅうに彼の歯型がつきます。

私は涙を流して、されるがままになっています。

(痛くない!痛くないと思い込め!)

ル「ふふ…。」

私から少し体を離して、彼は手の平を私にかざします。
すると、薄い緑色の光が手の平から差し込み、私の体にあった歯型がすぅっと消えていき。
痛みがなくなります。

私「はぁはぁ…。痛くなくなった…。」

すると、再び彼は私の全身を噛みはじめます。

私「ギャァ〜!ヤメテ!」

構わず、彼は歯を立てていきます。
そして、再び緑の光を手の平からかざして全身の傷跡を消し去ります。

私「はぁはぁ。もう、やめて…。」

ル「意識体のお前には痛覚はないはずだ。
  お前が私を拒むというのなら。
  舌を噛み切って見せろ。
  そうしたら、逃がしてやる。」

私「舌を…。」

ル「そうだ、死にはしない…。
  お前の覚悟を見せてもらったら、逃がしてやってもいいと言っている。
  ふふ。無理じいはしないがな…。」

私「はぁはぁ…、う…。」

私は、どうしても自分の舌を噛み切る事ができませんでした。

ル「ふ。その程度の覚悟で統合を持ちかけるとな…。」

私「イタッ!」

そうして、再び彼は私の体を噛み始めます。
今度は先ほどより強い力で体を噛みます。

(痛くない…、痛くないはず…。)

必死に自分に言い聞かせていると。

ル「ここは念入りにしてやらないとな…。」

そういって私の乳房を掴み思いきり歯を立てます。
皮膚がプツリと裂け、歯が肉に食い込みます。
すると、一つ一つの歯型から、ルビーのような血の雫が白い肌に浮かびあがります。
 
私「あぁ…。」

私が震えて涙を流すのを見て彼は嗤います。

ル「ふふ。緑の姫君。
  優れた知覚が仇になったな…。
  まだまだ愉しませてもらう。」

彼はもう片方の乳房を掴むと再び噛み付き、胸から血が滴り落ちます。

私はまるで身動きが取れず、体を小刻みに震わせるだけで涙を流し続けます。

彼は口の周りに私の血液を着けながら私の首筋に歯を立てます。

肉に歯が食い込みゴリッと何かが損なわれる音がします。


私「あぁ…。ヤメテ…。なぜこんな事を…。」

(痛くない、痛くないと、思い込まなければ…。)

ルシフェルはそれには答えず、そのまま私の右肩に喰いつきます。


ブツリ。

ペッ!

彼は顔を背け口から何かを吐き出します。
思わずそれを目で追うと、梅干のような、私の肩の肉片でした。

それを視認した途端、悲鳴が上がります。

私「ぎゃぁぁぁぁあっ!」

肩の傷口から、霧の様な血が噴出し、ルシフェルの白い胸に赤いしみをつけます。
それはまるで、極上のプレタポルテのレースをあてがわれたようで、完璧な美貌を持つこの男を美しく彩ったようでした。

彼は微笑みながら私に顔を寄せてきます。
そのまま私の下唇を自分の犬歯で噛み切ります。

プチ。

私の唇が裂け、血がトロトロと流れ出し、口の中に溢れてきます。

顔を上げた彼の唇には私の血液がまとわりつき、舌でそれを舐めています。

私「あぁぁぁぁあぁぁ。」

口の端から血液混じりのよだれをあふれ出しながら、私は痙攣を起こしたかのように震えています。
  
彼は私の肩の上に両手を付いており、髪の毛が手の平の下にあるため、彼が身動きするとジャリジャリと髪の毛がこすれる音がします。

彼は眉をひそめて。

それから、私の右肩からあふれ出した血液にまみれた自分の左手を見つめ。

その後、私の右頬に自分の左手をべったりと擦り付けて血液を拭いました。

私「あぁあぁあぁああぁぁぁ。」

口の中にはキーンとした鉄の味がして。

鼻を突く、ツンとした血液の臭い。

頬に擦り付けられた血液のヌルリとした感触。

血まみれの彼の紅い左手。

彼の白い胸に拡がる血のレース。

視界の端に転がる自分の肩の赤い肉片。


私「ぎゃあぁあぁあああぁぁぁあああぁ!」

(嬲り殺される…。)

もう、限界でした。








気づくと、また鉄格子の中で横たわっていました。

(はっ!血が…どこも濡れていない。服も着ている…。
 また鉄格子の中。
 まるで悪夢だわ…。)

私は白いローブ姿で暗い檻の中、20cm間隔ではめこまれた鉄格子を掴んであたりを見渡します。
檻は高さが1・5mほどしかありませんから、立ち上がることもできず、座り込んだままです。

すぐ側でムクリと人が起き上がる気配がしました。

ルシフェルがベッドから体を起こし、笑いながら私の側へ近づいてきます。

ル「気づいたか。」

私「ヒッ!!」

私は彼から逃れる為に鉄格子の奥へと逃げ込みますが、結局彼に体を横抱きにされて、引きずり出されます。

そのままベッドへと運ばれで再び悪夢が始まります。

私「ヤメテ!」

涙を流す私に構わず、強引に乱暴されてしまいます。
意識をローカル1に戻しても、私の両手はやはり空を切るだけ。
私の瞳にはいつもの白い壁に天井が視界に映るだけで、自分の体を拘束する、相手の姿を見て取る事はできません。
気が狂いそうになります。

(なぜこんな事に…。ミカエルは手加減していたんだ。)

まるで私の体の事をいたわっていない、強引な抱き方です。

私「許して…。帰して…。」

ル「帰さない。このまま一生、私の側にいろ。」

私「無理です。私には肉体がある。」

ル「ローカル1での生活に支障が無い程度の意識体は帰してやる。
  食事をし、仕事もする。
  ただ、感情の起伏がなくなるだけだ。
  人との関わりを持とうという気持ちがなくなるし、おまえ自身も不自由はしないはずだ。
  周りの人間は別人のように感じるだろうがな。」

私「なぜ…。そんな事が…。お願い、帰して。」

ル「愚かだな、緑の姫君。
  今頃懇願しても無駄だ。

  私は美しいお前が気に入ったのだ。
  ふふ。そうだな、死にかけたら帰してやるよ。」

私「そんな!許して、お願い…。」

ル「くくく。そうだな…。お前の異変に気づいた者は消してやろう…。」

私「何を…!?」

ル「消すのは相当に親しい者だけだ…。
  そうすれば、地上に未練もなかろう…。
  お前の身近な人間を一人ずつ…。」

私「やめて!」

ル「ふ。地上に未練がないように、まずはお前の姉から手にかけようか?
  それとも、お前が可愛がっていた、その息子か?
  どちらからがいい?」

私「…!」

ル「お前が気を許している者を一人ずつ、始末してやろう。
  地上に未練が残らないようにな…。

  姉の息子からか?先に娘からか?」

私「ヤメテ!そんな事、絶対にヤメテ!!」

ル「うぅん?それでは、お前の甥をここに持ってきてやろうか?
  お前と一緒にこっちで飼ってやるよ。なんなら、姪もつけてやる。
  それなら寂しくなかろう?」

私「何て事を…あの子達に何かしたら、許さないわ!」

ル「あぁ、それとも働かなくてもいいように、足でも不自由にしておいてやろうか?
  ついでに頭でも故障させておいてやろう…。

  他の者と口をきくこともできなければ、お前に関わろうという者もおるまい。

  ふ。自分で身動きがとれず、口も聞けない女となると、お前は周りの者にどう扱われるだろうな…。

  まだ若くて美しいお前に何かあっては大変だ。
  その顔を潰しておいてやろう。二目と見れないほどグチャグチャにな。」

頭にカッと血がのぼります。
胸の奥から強い殺意と怒りが湧き上がってきます。

(………許さない。
 この私を傷つける者は、許さない!)

背中から翼を出現させて、風を巻き起こし、上体を起こします。

ブワッ!

私「許さぬ!許さぬぞ、ルシフェル!!
  たとえお前が魔王だろうと、この私が全力で殺すっ!!」

ルシフェルは静かに嗤いながら素早く私の喉元を押さえ込みます。
彼は全身の体重をかけて押しつぶすように、私の喉を右手一本で締め上げます。
そこから私の体内のエネルギーを吸収しているようでした。


私「ぎゃぁぁぁぁああああぁあ!」

ル「あはははははは。
  堕ちたな!

  ぬるい大天使どもに見せてやりたいな!
  お前は怒った顔が一番美しい。

  はははは。私に敵うとでも思ったか!」

私は全身の力が抜けて、ぐったりと横たわりました。

ルシフェルは私の絹糸のような漆黒の長い髪を掴み、口づけをします。

ル「今のお前はたいそう美しいぞ?

  この髪も、背中の羽根も今のお前の心そのままに真っ黒だ。

  お前は気づいていないだろうがな。
  
  今のお前はご自慢の緑の瞳ではなく、その瞳は闇色だ。

  美しいぞ、緑の姫君。…私の妻にふさわしい。」

そう言い、彼は私を組み伏せて口づけをしてきました。

私は自分の黒髪を見、背中から生えている漆黒の翼を見、彼の言葉を聞き。

両手を顔にあてて悲鳴をあげました。

私「きゃぁあぁあぁあああぁあ!」

私は再び、堕天使になっていました。

ル「ふふふ。堕ちたな。
  ここからでは大天使達へ声は届かない。
  上にいれば、お前の愛する男達にかわいいペットとして甘えていられたのにな。

  大人しく飼われていればいいものを、シャシャリ出てくるからこういう目に遭う。
  お前が自分からこの迷宮に飛び込んできたんだ。
  そのご自慢の翼でな…。
  
  これからは、私が可愛がってやるよ。
  美しいアズラフィール(告死天使)。

  大天使の修行は無駄になったな…。
  さぁ、いい声で鳴け…。

  私の腕の中でな。
  お前は籠の中の鳥だ…。」


私「いやぁぁあぁぁ…。」

私は涙を流しながら、彼に組み敷かれて…。  
  
そして、意識を失います。

(もう…もう、ミカエルに会えない……。)



  














気づくと、鉄格子の中にいました。

(また、ここなの!?いったいいつまで続くの…。)

私は自分の両腕を掴みながら震えていました。
やはり、白色のローブを身にまとってはいます。

しかし、肩を流れる髪は漆黒のロングストレートになっていました。

(瞳が闇色だと彼は言っていた…。
 緑の姫君の黒髪バージョンとは異なる。
 私は堕天使になっていたのね。)

私はじっと座り込んで考えます。

なぜ、こんな目に遭わされるのか。
なぜ、彼はこんな事をするのか。
なぜ、何度も同じ繰り返しになるのか…。

すると、ドアが開く音がして足音が響いてきます。

私「ルシフェル!なぜこんな目に遭わせるの?」

両膝立ちで鉄格子にしがみつき、私は美貌の魔王を見上げます。

私「あなたほどの力があって、あなたほどの男性なら。
  私でなくても構わないでしょう?
  なぜ、こんな事をするの!?」

ル「あぁ。別にお前でなくてもいい。
  退屈だったんだ。
  そこにお前が飛び込んできた。
  それだけだ。」

私「私を解放して!」

ル「私の気が済んだらな。」

私「ヤメテ!」

またしても、檻の中から引きずり出され、彼のベッドへと体を投げ出されます。

私「嫌!いくら体を繋いでも、私はミカエルの妻。
  あなたのものにはならない。」

ル「お前の声は届かないぞ。」

私「たとえ、彼の元に帰れなくても私の主は私。
  私が彼の妻になることを選んだの!
  あなたの妻にはならない!」

ル「戯言を。
  私の妻になれ。」

私「嫌。私は従わない。
  心まで思い通りになると思わないで!」

ル「…いつまで続くかな…。」

彼は強引に私を抱きます。
私は泣きながら、ミカエルを思い出します。

あぁ、あの晩の彼の振る舞いはやはり手加減をしてくれていたんだ。
なぜ、ルシフェルはこんな愛し方しかできないんだろう…。

私「嫌。私はミカエルの…妻…です。
  体を…自由にされても、…心…までは…奪われない…。
  私は…翻さないわ…。」

ル「……。」

私「…なぜ、こんな事を…。
  夫婦は…愛し合うもの…。
  これでは…気持ちが…離れて…いく…だけ…。」

ル「私のモノになれ…。」

私「…なら…ない…。」

ルシフェルの抱き方がさらに乱暴になりました。
私は彼と肌を重ねながら、やはり彼の胸の内はからっぽだと感じました。

ル「はぁはぁ。これでもか…?」

私「私…は…、したがわ…ない…。」  

ル「お前を一生逃さないと言ってもか?」

私「私の…、主は…私…。たとえ…あなたが…何者でも…。したがわ…な…い。」

ル「それなら、なぜ私の腕の中にいる…。」

私「あなたが…。
  かわいそうだから…。

  こんなに…ひどい目に…遭わされても…。
  嫌いに…なれない…。

  私たちは…同一の…魂。
  あなたは…寂しいのよ…。」

ル「緑の姫君…。
  私を…。
  ………愛していると言ってくれ…。」

私「…愛してる。愛してるわ、ルシフェル…。」

私は彼の背中をギュウッと抱きしめました。

すると、彼はついと体をそらして私から離れます。


ル「ふ。結局私を恐れないのは、私自身だけとはな…。」


私に背を向けて微かに震えているようでした。

そして、呆然とする私に向って白いローブを投げて寄越します。

バサッ。

私は自分のローブを頭からすっぽり被る格好でそれを受け取ります。

私「え…。」

(これは、服を着て帰れという意味?
 解放されたって事?)

展開に頭がついていきませんでしたが、とにかく服を掴んで私は急いで着込みます。

まだ、体が痺れたように震えて、上手く動かす事ができません。

(とにかく彼の気が変わらないうちに早く帰らなければ…。)


ル「リバルを2重に張っていけ。
  お前の魂は目立つ。
  他の魔物に掴まるな。」

彼は私に背を向けたまま、そう言いました。

私「あ…が…と。」

私はうまく口がきけませんでしが、急いでリバルを2重に張ると、一気にローカル1へと帰還しました。



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