日中は忙しく仕事をこなしつつも、月末に大阪に向かうと思うと気持ちが浮わついてきました。
夢駆さんと直に会える、しかも雲黒斎さんも紹介してもらえる。
自然と顔がにやけてきます。
(お土産は何にしよう、スタッフへの差し入れはどんなのがいいかな?
やっぱり、食べ物だよね〜、それも日持ちがして、おいしいもの。
できれば、軽くて見栄えのいいお菓子で…。
はっ!そうだ!私ったら、コメント欄で、某美人女優に似ていると言われたことがあるとか書いちゃってたし!?まさかここで自分の首を絞めるようなことになるとは…。
できるだけ、小ぎれいな格好で行かないとヤバイよ!
バカバカ自分!調子に乗って、あんな事書いちゃって!
服もどうしよう…靴も…髪型は?毛先を巻いていくのがいいかな?
あぁ〜普段全然使ってないから、ヘアアイロン、うまく使える自信ないや〜。)
そうして、昼間は浮かれ気味でしたが、仕事が終わるとパソコンにはりついて、情報収集をしつつ、ブログをアップし続けます。
(あはは。読者の人、楽しんでいるな〜。
ミカエルさんやラファエルさん、そして、この時の私も生き生きとしている。
なぜ、今、彼らに会えないんだろう…。)
私は、コメント欄を読みながら、涙をポロポロこぼしていました。
(まるで、二枚舌だな…。
ブログでは、彼らとラブラブで。
現実ではルシフェルさんと耽っている…。
つらい…。
ブログを読んでいる間は現実を忘れて、幸福な気持ちになれて。
現実を振り返ると、たった一人でパソコンに向かっているだけ。
そして、体が疼くと、ルシフェルの元へと走っていて…。
まるで、天国と地獄を同時に味わっているみたいだ…。
なんとか、精神のバランスを保てるのは、励ましてくれている、読者さんのコメントのおかげだな…。
いつか、本当に、直接会って、お礼が言いたいな…。
あぁ、こうしてネットを探っても、私と同じような経験をした人は見つからない…。
MIXIにメッセージを送った子からも、返事が来ない…。
本当に、月末の大阪講演が一縷の望みだ…。
体験型セッションという話だから、それを突破口として、なんとか知覚の向上を目指して。
そうして、ミカエルさん達と再び、会うんだ…。
もう、他のガイドとの接触もままならなくなっている…。
ルシフェルの気(波動)が強いからなのか…。
とにかく、あと1週間だ。
あぁ、一日一日が待ち遠しい…。)
私は自分のブログをアップし続けながら、コメント欄を読むのを支えにして毎日を過ごしていました。
そうして、数日経つと、体が疼きはじめます。
私はブログをアップし終えると、ベッドに体を横たえ、意識を漆黒のアンダーグラウンドへと飛ばします。
いつもの手順で、ルシフェルの気配を探り、彼の寝室へと躍り出ます。
間接照明がほんのりと灯る、白を基調とした重厚な雰囲気のファブリックのベッドの中に彼はいました。
仰向けに横たわっていた彼は片肘をついて上体を半分起こして、私を見て、嫣然と微笑みます。
シュルリ、と微かな衣擦れの音をさせて、彼の肩から、シーツが滑り落ち、白い裸身が覗きます。
私は背中に生えた漆黒の6枚羽をしまうやいなや、自分から彼の元へと近づき、彼の胸に自分の頭を預けます。
まるで、闇夜に咲く、美しい花の蜜に吸い寄せられた、揚羽蝶の様に…。
もう、言葉は必要ありませんでした。
お互いを求めあいます。
私「ん……ルシフェル…好き…。」
ル「ハァハァ……緑の姫君…私の、妻になれ…。」
私「…ならない…。私の夫はミカエル…。」
ル「私をこんなに感じているのにか…。
私を愛しているんだろう…。」
私「…ハァハァ…。今だけ…。妻にはならないわ…。」
ル「お前は私を拒むが…こうしているのは、夫婦と違わないのか…。」
私「………。」
ル「私の妻になるんだ…。」
私「…ふ。何を…。体だけよ…。精神の愛とはちがう…。はき違えない事ね…。」
ル「ハァハァ…体だけと言いながらも、私を選んでいる。
お前は誰にでも体を許す女ではないはずだ…。
お前は私に惹かれている…。違うのか?」
私「勘違いもいいところね。
愛があったら、夫の兄と寝たりしない…。
しょせん、あなたと私は同じ穴のムジナ…。
綺麗ごとを並べても、陳腐なだけよ。」
ル「弟の妻を寝取ったりしない、という事か…。
兄の元へと通わせていて、何も言わない男を夫だと、お前は言うのか?
お前にそんな言葉を吐かせる男など、見切りをつけて、私にしろ。」
私「野暮ね…。
弟の妻に手を出しているだけのあなたの求婚に私が頷くとでも思っているの?
あなたも頭に血が上っているだけよ。
ベッドでの求婚は婚約に値しないわ。
バカバカしい。」
ル「あくまで、私を拒むと言うのか?
それなら、私から離れられなくするまでだ…。」
私「あ……。」
そうして、とろける様な快感の渦に呑み込まれるようにして、彼の腕の中で快楽を味わいます。
二人の体が離れると、彼は荒い呼吸で、背後から私を抱きしめてきました。
しばらくじっとしていましたが、彼の呼吸が落ち着くと、私は彼の腕を外します。
私「喉が渇いたわ。何か頂くわよ?」
私はそっと、体にシーツを巻きつけてベッドから降り。
サイドテーブルの上に置かれている果物籠の中から、フルーツを物色し始めます。
(ザクロは手が汚れそうだし…。
オレンジや林檎はナイフが無いと皮がむけないな。
なぜ、ナイフを用意していないんだろう…。
万が一に備えての事だろうか…。
しかたない、またブドウにしよう。)
私は手の平からこぼれんばかりにはみだす大きな緑色のブドウを一房手に取り、一粒もぎって自分の口に運びます。
口の中に放り込まれたブドウは、私が軽く噛むと、パリンという音を響かせて口の中いっぱいに爽やかな果汁が広がります。
みずみずしい果汁は素晴らしく糖度が高く、喉を冷たく潤し、火照った体に甘味が沁みこむようでした。
私「ウマ!これも極上。ウグウグ。すご。まるでジュースみたい。」
私が夢中になって、次々と口の中にブドウの粒を放り込んでいると、ルシフェルがそっと背後から手を伸ばして、私の手の平からブドウを片手で取り上げました。
彼はそのまま頭より少し高い位置にブドウを持っていき、顎を上げて、ブドウの房の一番下の一粒をくわえてもぎりました。
完璧な美貌の彼の横顔が暗い室内に浮かび上がって見え、白い喉がのけぞるように動き、その動きがなんともなまめかしく感じて、私は思わず見入ってしまいました。
(お行儀、悪いけど…。
すごく、絵になる…。
うっかりしていたけど、本当にこの人、綺麗だな…。
ん?)
彼はブドウを口にくわえたまま、私に顔を寄せてきました。
至近距離にマスカットグリーンの瞳が潤んで、揺らいで見えます。
そのまま、キスをされて、口の中にブドウを滑り込まれます。
私「ん!んく。」
思わず、ブドウを丸飲みしてしまいました。
すると、彼は再び、同じ所作で、ブドウを一粒口でもぎると、私に口移しでブドウを与えました。
私「ん、ウグ。ごくん。」
私は今度はそのブドウを味わって、飲みこむと、彼は私の唇に人差し指をあてて。
小さな声で「私に…」と囁きました。
そうして、彼は再びブドウを口移しで私の口に含ませます。
私は彼にキスをして、そのブドウを彼に渡すと、すぐに私の口に押し戻してきます。
(もしかして、皮を剥いて、食べさせろ、という意味か?)
私が自分の口の中に入ったブドウを噛んで、皮を剥こうとするも、勢い余って果肉までつぶしてしまいました。
しかたなく、そのまま飲みこむと、彼は残念そうな顔をして、再びブドウを口でもぎります。
私が彼に口移しで渡されたブドウを口の中で、何とか皮を剥いて、再び彼に与えると。
彼は嬉しそうに、そのブドウを飲みこみました。
そうして、再び彼はブドウの房の下の方の一粒を口でもぎって私の口に運ぶます。
私は口の中でブドウの粒を転がして、皮のみを剥こうと試みるのですが。
なにせ、元から皮つきで食べれるブドウですから、皮が薄くて、剥きづらいのです。
かなりイライラしながら、なんとか皮を剥いて彼に口移しで与えると、彼は喜んでブドウを飲みこみました。
(えぇい!時間のかかる!
巨峰とかなら、いざ知らず、こんな皮の薄いブドウだと剥きづらいんじゃあ!)
私は彼の手からぶら下がっているブドウの房に食らいつき、一粒くわえると、今度は逆に彼の口に含ませます。
そうして、彼が口の中でコロコロとブドウを転がして、皮を剥いたものを私に口移しで与えます。
私がそれを飲みこむと、彼より先に私がブドウを一粒くわえ、彼の口元へと運びます。
今度は彼が皮を剥くのに失敗した模様です。
それを見て、私は再び、ブドウに食らいつき、口に含んだあと、おもむろに自分で噛み砕きほおばります。
その後もむしゃむしゃと何粒も自分で食べ続ける様子を見て、彼はブドウをテーブルの上に戻しててしまいました。
私が口いっぱいに頬張っているブドウを全て飲みこんだのを見届けると彼は自分の指を私の唇に押し当ててきます。
そして、おもむろに私の口の中に自分の指を突っ込んできました。
そのまま、指の腹で舌を叩いたり、上あごのでこぼこを撫でたり、爪で歯を引っかいたりします。
(なんだろ?野生動物の飼育に成功したのを確かめてる感じ?)
私は顎の力を抜いてされるがままにしています。
そのまま、ルシフェルは指を変えて、何本もの指を私の口の中に突っ込んできましたが、私は特になんの抵抗もなく、おとなしくしていました。
(もしかして…。)
私は彼の手首をつかんで、彼の指を甘噛みし始めます。
指を変えて、自分の口の中に入れたり、出したりを繰り返し。
口の中で舌で指を転がしたり。
舌をとがらせて指の根本から先端まで舐め上げたりします。
そうして、音を立てて、彼の指をしゃぶり続けていると、彼の呼吸が乱れてきます。
(他のところも舐めてあげるよ?)
私が、そう考えるやいなや、彼はベッドサイドにいた私の体を掴んでベッドへ押し倒してきました。
私「あははは!ルシフェル、かわいいっ!」
ル「…っ!」
そうして、彼の腕の中で快楽を味わった私は、彼と体が離れると、するすると彼の下半身の方へと自分の体を移動させます。
彼の呼吸は乱れたままです。
シーツをめくり、暗闇に浮かび上がる、彼のうっすらと六つに割れた腹筋を手のひらで撫でまわします。
おへそにキスをして、腰骨のあたりに舌を這わせて、太ももを撫でまわします。
私「うふふ。たまには悪魔を泣かせたいものだ。
さぁ、お前の蜜を味あわせろ。」
ル「ハァハァ…やめろ…。」
私はおもむろに彼の体の左右に手足をついて彼の体に触れないように移動して顔を近づけていきます。
私「んん?なんて言った?
ホントにやめていいの?」
私は彼の体に極力触れないようにして、彼の唇を貪るように激しい口づけをします。
彼は私の後頭部を掴んで私の求めに応じます。
ル「………っ。」
私「やめていいの?
嘘つき。
期待にはちきれんばかりになっている。
体は正直よね…。」
私は彼の首筋にふっと息を吹きかけて、再び彼の下半身の方へと体を移動させます。
彼の腹筋を撫でまわしながら、ペロリと一舐めして、息を吹きかけて、囁きます。
私「ルシフェル…ガードを解け。
私に委ねるんだ…。」
すると、彼の体を包んでいた何かがほどけて、彼の快感が手に取るように分かります。
私「いい子だ…。
さぁ、足を開いて…。
私の体がおさまりやすい態勢をとるんだ。」
ル「………っ。」
私が彼の膝の裏を掴んで軽く押し上げると、するすると動き、私は彼の内太ももを舐めまわします。
私「綺麗だ…。ルシフェル…。
私に身を任せて…。
お前の快感が手に取るように分かる…。
文字通りお前の体を掌握する…。
すべて記憶してやるよ。
今まで感じたことのない快楽を味あわせてあげる。
ルシフェル…好き。
チュッ。」
私「…………。」
ル「…っ、ハァハァ……。」
私は濡れた左手を舐めながら彼の顔を覗き込んでいます。
ルシフェルはビスクドールの様な端正な顔を真っ赤にして、荒い呼吸をしています。
マスカット・グリーンの瞳は色素が薄くなり、金色に近くなっています。
その瞳の端には、涙が溜まって、潤んでいます。
(綺麗だ…。なんて綺麗なんだろう…。)
私は左手をきれいにすると、片手をついて、彼の顔をじっと覗き込みます。
私「…………。」
ル「…ッ!……ハァ、ハァ…。」
彼は私に何か言おうとするも、言葉が出ない様子で、少し身動きした拍子に目の端から涙が零れ落ちます。
(綺麗…。綺麗な涙…。ルシフェル、なんて綺麗なんだろう…。)
私はゾクゾクっと、背筋に今まで感じた事のない種類の悪寒を覚えました。
まるで、霜が降りたようです。
その霜には糖分が大量に含まれているようでした。
私「ルシフェル…。」
ル「…っ、…ハァハァ…。」
私「ルシフェル、まだそばに居る。安心して…。」
私は陶然と彼を覗き込み、彼に口づけをしたくなりましたが、なんとなく彼を汚しそうでそれをやめて。
そっと、彼の頬にほおずりしました。
ル「…っ、ハァハァ、み…どりの…。」
私「無理にしゃべらなくていい。
まだ、体がつらいんだろう?
いいから、休んで…。
そばにいるよ、ルシフェル…。」
私は彼の右腕に背中をくっつける格好で横たわります。
ル「…っ、緑の…。ハァハァ…。」
私「うん…。」
私は彼の荒い呼吸を背中に感じながら、自分の両手を胸の前で組みます。
そして、人差し指の先端をくるくる回転させるしぐさをし始めます。
(…ルシフェルさん…あんなに感じちゃって…。
ルシフェルさんってば、なんていうか…。
頑張って、これから奉仕しようとしたら、『好き、チュッ』であんな事に…。
もしかして、言葉責めに弱いタイプ?
はぁあ〜。なんて綺麗な男の人かしらっ!?
もう、犯罪レベルよね〜って、アレ!?
私ってば、ローカル1のキャラクターになってる!?
えぇえぇぇ!?
無理無理無理!こんな超絶美形と同衾(どうきん)なんて、私のキャパ超えてるよ〜?
うわぁわぁ!
それにしても、ルシフェルさん、いい匂い。
はぁあぁ〜、心臓バクバクしてきた。
頭クラクラする。
お腹がポカポカして、胸がキューンとする。
ヒーッ!顔が熱くてしょうがないっ!
待て待て待てっ!私はミカエルさんの妻だし?
これ以上、ここにいたら、危険だってば!)
すると、背後にルシフェルさんの動く気配がして、そっと私の両手に片手を添えてきます。
ル「ハァハァ…緑の姫君…。」
(ひぇえぇえ〜!
ルシフェルさん、大きくて、指が長くて、綺麗な手!
胸板も厚くて、たくましい感じ。
あぁ〜、顔だけ見たら、美女かってくらい、中性的なのに。
なんで、こんないい体してんの!?
そして、声もいいっ!
低くて、硬質で、なんて色気のある声なのかしらっ!
肩にかかる髪の毛もまっすぐでサラサラでとっても綺麗!
あぁあぁ〜、マズイマズイ!このままじゃ、悪魔に魅入られちゃうっ!)
ル「まだ、ここにいろ…。」
(あぁ〜!そんな耳元で囁かないでっ!
頭がグルグルしてきた〜っ!
胸が苦しい〜っ!
何これ何これっ!
チャーム(魅了)の魔法かなんか使った?
あぁ〜、ルシフェルさん、好き。大好き。
もし、ミカエルさんや、ラファエルさんとか知らなかったら。
ずっと、ずっとルシフェルさんの側にいたいっ。
できることなら、ルシフェルさんの、お嫁さんに…。)
ル「ハァハァ…私の…妻になれ…。」
すっと、私の意識が変わります。
私はルシフェルの手を振りほどいて、ベッドから立ち上がり。
床に脱ぎ捨ててあった、自分のローブを拾い上げて着込みます。
私「そろそろお暇するわ。」
ル「…ハァハァ…、まだ、ここに居ると…言っていた…。」
私「気が変わったの…。
あなたも満足したんじゃない?
いろいろごちそうさま。」
ル「……ハァハァ…。ふぅーっ…。」
ルシフェルはベッドの上に腕をパタリと倒して、仰向けになり、息を弾ませたまま、瞳を閉じて脱力しました。
それは、白銀の髪が彼の体を取り巻くように、広がり、たいそう美しい姿でした。
私は白いローブの襟首から、腰の下まで伸びた、絹糸のような漆黒の髪を引き抜き。
背中に6枚の漆黒の羽根を出現させ、空中に羽ばたきます。
ル「…ハァハァ…。また、来い。」
私「ふ。気が向いたらね。
あ、そうそう。
なかなか良かったわよ?
ミカエルより上手ね。
ラファエルには及ばないけど?」
すると、ルシフェルは瞳を開いて、素早く立ち上がり。
空中にホバリングしていた私の手首を掴んで、ベッドに引きずり込みました。
そのまま、私の服を脱がしにかかります。
私「あはははっ!
ルシフェル、元気だな!
いいよ、もうちょっと付き合ってあげる。
かわいいなぁ〜。」
私は彼の首に両手を回して、口づけをして。
そうして、彼の腕の中で笑いながら、踊るようにして快楽を貪ったのでした。
