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夜明け前36

ッドン!ギシィ!

障壁を抜けて、ローカル1の自宅のベッドに戻った私は泣き続けています。

私「ミカエルのばかぁ!アホォ!おタンチン!!なんで私を置いていくのよぉ!!
  ラファエルのばかぁ!さみしいよぉ!
  ルシフェルのボケ!カス!クズ!サド!役立たず!
  ドエS鉄面皮!!消えてしまえっ!うわぁ〜ん!!」

グスグスと鼻をこすりながら、泣いている自分に気づきます。

私「…あれ?戻った?いつの間に??
  ん?なんか泣いたら、スッキリした〜!!」

ベッドの上に横たわって大きく伸びをします。

私「ん??なんかさっきルシフェルにひどい事言ったような気がするけど?
  なんだっけ???

  ま、いーか、アイツ悪人だし?
  悪人に人権は無いし?(←注:極論です。良い子は真似しないように!)
  忘れる事って、ストレス社会には必要よね〜!
  さ、寝るか!!…ぐぅぐぅ…すぴ〜っ…。」

と、安眠を貪ったのでした。



さて、翌朝目が覚めて、普段通りの生活を送ります。
PCに向うも、目的のものは中々みつからず、再び悶々とした日々を送ります。

(やはり、ミクシィといえども、ある程度仲良くならなきゃ、突っ込んだ内容のメッセージ送れないな…。
 一匹狼で活動してきて、人脈を作っていなかった事が悔やまれるな…。

 あきらめるな、それなら今から人脈作りだ…。
 でも、なかなか私以上の知覚や体験をした人って見つからないなぁ…。
 探し方がマズイのかな…。

 マイミクの多い人ってなんか紹介じゃないと友達になれなかったり。
 そういう人ってマイミクさんしか記事が読めなかったり。

 ムンクさんに紹介してもらったすごいヘミシンカーさんも、こちらからマイミク申請しても、私の記事まで読んでもらえそうにないし…。

 マイミク申請しても、大半の人が、誰?それ?って反応で、私のブログってそんな有名でもなかったのね…。
 それとも、マイミク申請の文章が性急すぎて、警戒されちゃったのかしら?

 井の中の蛙って私の事だったのね…トホホ。
 これは時間がかかりそうだな…。)


そうして、数日が過ぎると、再び体が疼いてきます。

(くっ…。もう限界…。また見つからなかった…。
 ミカエル、ラファエル、会いたい…。
 どうして、会いに来てくれないの?
 もう、理性が働かない…。)


私は再び、地下の魔王の寝室へと向います。


私「うっ。ミカエルに会いたい…。」

ル「……。」

ベッドサイドに佇み、泣き出す私の腕をルシフェルは無言で掴んで、ベッドに引き込みます。

私「ルシフェル、ミカエルの居所を教えて…。」

ル「今日は、駄々をこねないんだな…。
  教えるいわれはない…。
  私が欲しいんだろう?」

彼は、仰向けになって泣き出す私の肩の上に両手をついて、覆いかぶさるようにして、静かに囁き。
私の黒髪を一房つかみ、口づけをして、冷たく私を見下ろし…。

…そのまま、彼に抱かれました。


私「…ルシフェル、気持ちいい…。溶ける…。」

ル「………。」

すると、青く澄んだ水がキラキラと白い光を反射している映像、しかも四角く切り抜いた状態の映像が脳裏に浮かびます。

私「…青い、水。」

ル「…っ!」

私「?」

ル「…大人しく、抱かれていろ…。」

私「ルシフェル…あぁ…。」



そうして、二人の体が離れると、私はすぐさまベッドから降り立ちます。

ルシフェルが背後から私の手首を掴んできます。

ル「もう帰るのか?」

私「えぇ。」

ル「もっといろ。」

私「嫌よ。もう用は済んだわ。」

ル「…私の妻にならないか?緑の姫君。」

私「ならないと言ったはずよ?あなたもしつこいわね。」

ル「…私を求めていたのに?」

私「言ったはず。あなたは、ミカエルの替わり。
  用があるのは、あなたの体だけ。
  あなた自身に興味はないわ。」

ル「…屈辱だな。
  私がアイツの代用品呼ばわりだとは…。
  生意気な口を聞けなくしてやる!」


そう言って、再びベッドに引き込みます。





再び体が離れると、私はベッドサイドに脱ぎ捨ててあったローブを拾い、着替えます。
後ろでルシフェルが息を弾ませています。

ル「緑の姫君、帰るのか?」

私「一応、お付き合いはしたわよ?
  帰らせてもらうわ。」

振り返りもせずに、私はそう答え。
ローブの襟元から、長い漆黒の髪の毛をシュルリと引き抜き、背後へ振り払います。

すると、背後からスルリと両腕をまわして、ルシフェルが私を抱きしめてきます。

ル「もう少し、ここに居ろ…。」

私は一瞬、ミカエルに抱きしめられたのと錯覚して、気持ちがぐらつきます。
しかし、力一杯彼の両腕を振りほどき、冷たく言い放ちます。

私「しつこい男は嫌われるわよ?
  失礼するわ。」

ル「…私のモノになれ。」

私「はっきり言わないと分からないのかしら?
  あなたなんて、眼中にないのよ。
  興味があるのは、あなたの顔と体だけ。

  そうね、あなたとはまぁまぁね。
  気が向いたら、また来るわ。」

ル「…っ。」

そうして、一瞬で、魔王の宮殿の外に移動して。
そこから、ローカル1へと帰還したのでした。



自宅に帰った私は、シャワーを浴びます。

濡れた体をバスタオルで拭うと、背中と右腕に薄い黒色の渦ができていました。

私「ルシフェルの刻印がここにも…。
  またオーラが混じっているんだな…。」

私は髪の毛を乾かしながら、一人で考え込みます。

(…先ほどのやりとり…。
 もしかして、彼は私に惚れているのか?

 …よく分からないな…。
 私に執着する理由がよく分からない…。
 ミカエルの妻だからか?

 いや、演技かもしれない…。
 相手は1000歳以上だ、油断は禁物だな。
 
 時々感じるあの視線は、観察者のもの…。
 あの男は、私の何かを探っている…。

 それほど歳経た存在が色恋沙汰などするとも思えないが…。
 ん?ミカエルと双子なら、彼とも同い年か…。

 ならば、そうとも言いきれないか?
 …よく分からないな、高次の存在って奴は…。

 ただ、なんていうか…。
 最初に会った時より、表情が…人間味が増した様な気がする…。


 さて、やっぱり生体エネルギーを奪われた感がある…。
 しかし、それに反して、体内のチャクラが安定したな。
 頭も冴え渡っているし…。

 一体彼はなんなんだろう…。
 生体エネルギーを奪われた、と言っても、体調を崩す、といった訳では無さそうだ。
 
 むしろ、体調を整えられている気がする。
 やはり、堕天したとはいえ、やはり高次の存在、という事なのか?

 これは、今の私にとって彼の存在が有益に働いている?
 最初、あんなにひどい目に遭わされたのに?
 本当に、彼は私を妻にと望んでいる?
 それは、孤独だから?

 …同情は禁物だ。
 今の私は自分の事で手一杯なんだ。
 この上、彼の事まで、構ってやれない。

 情が移らないように、気をつけねば…。

 いつまで、続く…この状況。
 
 現状を打開するのに、一番いいのは、ミカエルやラファエルが帰ってくる事なんだが。
 今の所、予測不可能だ。

 パソコンを使って、参考例や、アドバイスを求める相手を必死になって探してはみたが。

 よくよく考えたら、問題点はミカエルとラファエルにどうやったらアクセスできるか、という点と。
 ついルシフェルへと走ってしまう、自分の性欲のコントロールがきかない所だった。

 こんな悩み、どんな人間が解決できるって言うんだ?
 はなから無理な相談だったんだ…。

 「大天使ミカエルと大天使ラファエルと結婚しました。
  夫達が行方不明です。
  我慢がきかず、堕天使ルシフェルと関係を持ちました。
  どうか助けてください。」
 
 なんてどの面して言える?

 他の精神世界の人間に尋ねたところで、鼻で笑われるか。
 天使のイメージを汚した、頭のおかしい奴、と糾弾されかねないだろう…。


 …それに、おおっぴらには言われていないが。
 もしかしたら、ヘミシンクで性衝動が喚起される事態もあり得る、という可能性もないだろうか…。

 それとも、彼らと特別濃い関係を持った、私個人の体験に過ぎないという事か?
 結局のところ、ネット上で私と同様の事例は見つかっていない。

 比較対照できない以上、これ以上の事は分からないか…。
 
 あるとすれば、神話や伝承…。
 異種婚姻譚の一種、と考えられないだろうか…。

 神や妖精、妖怪や妖魔と交わる人間の話…。
 それと同様の事が言えないだろうか…。

 彼らは妖魔なのか?
 しかし、魔と交わった人間の末路は悲惨だ…。

 それに対して、私の肉体と精神は健やかだと思う。
 少なくとも、妖や魔ではない可能性が高い。
 
 焦るのはよそう…。
 体にも心にも良くない。

 彼らが私に会えないのは、きっと何かの事情があるからだ。
 まずは彼らからのアクセスを待とう…。

 とりあえず、ルシフェルは自分に危害を加える気がないみたいだし。

 なんとか、彼に会いに行く日数を延ばして、徐々に性欲がおさまるのを待つしかない…。

 情けない、ミカエルの妻だというのに、彼の兄を利用して、あさましい…。

 これでは、ミカエルに合わせる顔がない…。

 ただただ、問題を大きくしているだけなのか…。

 なぜ、彼らは私に一言も無く、姿を消したのか…。

 ルシフェルが私を好いているのなら、私は彼を傷つけているだけなのか…。
 
 こうして、冷静に考えられるのは、何日続くだろうか…。

 …もう、休もう。
 
 明日も仕事だ…。)



…ミカエル達を待ちわびる生活が続きます。



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