■ 夜明け前24
いったん衰えかけた知覚が戻り、ミカエルさんとイチャイチャしていた4月下旬の私は。
4月29日に東京で、東日本大震災のチャリティイベントとして、まるの日圭さんと、雲黒斎さんと、とみなが夢駆さんのコラボトークが開催されるという告知を横目でみながらため息をついていました。
(うわぁ〜、夢の共演やん。憧れの人が一堂に会してる。
行きたいなぁ〜。東京かぁ。
新幹線で2時間やし、日帰りでも行こうと思えば行けるんだろうけれど…。)
4月は基本、土日、祝日なく、毎日残業していました。
締め日が5月2日という事で、月末は特に仕事を休むのは無理そうです。
上司にゴールデン・ウィークの後半、全部出勤してもいいですから、休暇とれませんか?とお願いしましたが。
鼻で笑われるだけでした。
それでも往生際悪く、参加申し込みをして、お金を振り込みましたが、結局仕事で行けませんでした。
(はぁぁ〜、やっぱり無理だったか…。
こんな機会はめったにないと思ったんだけど。
でも、まぁ、お金は被災地に寄付されるし、それだけでも、チャリティに参加したと言えるよね…)
そんな忙しい毎日を送っていました。
ブログをアップすると、沢山の人が読んでくれています。
大震災の直後は、なにかメッセージが降りてきて、せっせと記事にしていましたが。
4月後半にもなると、そういったメッセージは特に来なくなりました。
しかし、私の意識体がピンク色の髪と瞳を持つ16枚の羽根を持つ天使の姿になると。
自分でも不思議なくらい力が沸いてきているのを感じていました。
ただ、ミカエルさんと壮大な夫婦喧嘩をした後は、本当に彼にメロメロになってしまい、うっかりすると仕事中にも彼とイチャイチャすることを想像してしまいます。
(あぁ〜、もう、残業なんて終わらせて、早く帰りたいよ〜!
なんで、毎晩11時まで仕事があんの?
労働基準法とか、優勢保護法ってなかったっけ?
それにしても、ミカエルさんってなんて凄いのかしらっ!?)
事務机に向いながら、内心ニヤついていると。
スッと体の中から何かが抜けます。
(えっ?)
微かなめまいを覚えつつ、天井を見上げると。
職場の事務室内であるにも関わらず、ミカエルさんがにこやかに空中に漂い。
その隣には、ピンク色の緑の姫君がいっしょに微笑んでいました。
二人とも足元をすっぽりと覆う、白いローブを身にまとっています。
ミカエルさんは少し細かいウェーブがかかった豊かな金髪が胸元まで伸びた絶世の美男子です。
すこし青みがかったエメラルドグリーンの瞳。
一対の純白の翼を背に生やしています。
その隣にいる緑の姫君は大きくウェーブしたピンク色の髪が足元まで伸び。
顔立ちも以前とは異なりますが、それはそれで、やはり絶世の美女の姿をしていました。
ここが職場でなければ、それは大層美しい情景ではありました。
(え?ちょっと、何が起こったの?)
ミ「やぁ。頑張っているね?
君が呼んだから、私が来たんだよ。」
(何?今、体から何かが抜けたけど。
ミカエルさんが、私の意識体の一部を抜いたって事?)
ミ「君は私とイチャイチャしたいし。
私も君とイチャイチャしたい。
でも、君は仕事があるから。
今ここで君に何かしたら、君が変な人に思われてしまうでしょう?
だから、ね?」
(えぇっ!?そんな!
私もそっちがいい!!
ミカエルさんとイチャイチャしたいっ!!)
ミ「君は日中仕事で忙しいからね。
メタトロンの修行もしなくてはならないし。
こうして、分業した方が効率がいいんだよ。
君が覚えていないだけで、いつもこうしているんだよ。」
(あ、メタトロンの修行ってやってたんだ…。
って、そんな事よりっ!
何にこやかに笑って、勝手な事してんの!)
ミカエルさんの腕に抱かれたピンク色バージョンの緑の姫君(私)はキラキラと輝くピンクとオレンジの混ざった瞳でにこやかに微笑みながら、私に手を振ります。
ミ「それじゃ、頑張ってね!」
(そんなっ!コピーロボットにおいしい所を持ってかれた、パーマンかっ!!)
そのまま、二人は天井を抜けて行き、姿を消します。
私は歯噛みしながら、仕事をこなしました。
(いいもんっ!!帰ったら、思いっきり、ミカエルとイチャイチャするもんっ!!)
…今、思い返せば、4月後半から、時々かるいめまいを覚えていました。
その時は、疲労からくるめまいだろう、と気軽に考えていましたが。
(もちろん、その可能性はありますが。)
もしかしたら、ピンク色の緑の姫君の意識体がメタトロン候補として、修行をしていたり。
もしかしたら、被災地へレトリーバルを行ったいたのではないか、と推察します。
自分では気づかない内に、意識を飛ばす。
そうして、自分の高次の存在が、気になる所のレトリーバルをしている…。
そんな事が、へミシンカーさんにはあるのかもしれない…。
いや、ヘミシンカーさんだけに限らず、どんな人にも言えるのかもしれませんね…。
(あ、今エノク師匠が、そうだよ、と言ってきました。)
その後、結局4月30日から暦通りに仕事が休みになりました。
冒頭のチャリティ・イベントには参加できませんでしたが…。
久しぶりの休日を貰った私は、体を休めつつ、自分にできる事は何かないかと考えます。
(そうだ…。ミカエルさんと深く愛し合って、意識体がメタモル・フォースした今の私なら。
きっと、ルシフェルさんも私を軽くあしらったりしないだろう…。)
そうして、私は大天使達の忠告を無視して、三度、地下に棲む宮殿の主に会いに行きます。
それが、どんな結果を招く事になるか、私は全く軽く考えていたのでした。
ルシフェルさんは、私にとって、ヒーローだったのです。