ラファエルさんが、ルシフェルさんである私を抱いた翌日。
私はミカエルさんや、ラファエルさんの忠告を無視して、ルシフェルさんの元へと訪れる事を決意します。
ルシフェルさんと私の関係の始まりは、昭和52年10月6日の夜に遡ります。
四つ下の弟を出産する為に、母親が家を空けている隙をついて、その日私は、留守を預かっている自分の父親にひどい暴行を受けていたのでした。
就寝中に性的いたずら目的の父親に襲われ、私は思わず相手の股間を蹴り飛ばし。
その結果、殴る、蹴るの暴行を受け。
さらに口と鼻を塞がれ、大声を出すと殺す、と父親に言われ、もがき苦しみます。
全身を襲う、あまりの激痛と、精神的ショックから、私は一時心肺停止状態に陥ります。
そして、私は闇の世界の宮殿の玉座に尊大に腰掛けている、絶世の美男子、ルシフェルさんと邂逅します。
そこの空気は凄まじいほどの殺気が漲っており。
先ほどまで、父親に嬲られていた世界の方が、何倍もマシだと感じて、私は現実世界に戻ってきたのでした。
だって、父は私を殺す気はなかったのですから…。
結果的に仮死状態に陥った私ですが、異変に気づいた父親に頬を張り飛ばされて、息を吹き返します。
それを見て、怖気づいた父親に放り出されて、一人過呼吸の発作に見舞われながら泣いている、その時。
平成21年6月。
自分が結婚できない原因を解明し、レトリーバルしたい。
その願いを受けて、メインガイドのユアンさんと共に大人になった私が現れたのでした。
(詳しくは、自分レトリーバル現世編をご覧下さい。画面左下の方にHPになっています。)
そこで、再び闇の世界に引きずり込まれ、ルシフェルさんと邂逅します。
私は恐怖のあまり、また意識を失いますが、かすかに彼に対して、懐かしい…という感想を抱きます。
それもそのはず、実は私はその後もたびたび父親に嬲られるたびに。
精神的に死んでしまっていたのでした。
しらず、呼吸が止まってしまうのです。
すると、真っ暗な宮殿の玉座の前の石畳に自分の意識体が投げ出され。
玉座に腰掛けた、ルシフェルさんが、傲然と私を観察していたものでした。
そして、ブルブルと震える私の体に薄い光の膜をはり。
現実世界へと押し返してくれていたのでした。
そうして、現実世界へと戻るたびに。
あそこに比べれば、何倍、何十倍、何百倍もマシだと、自分を勇気付ける事が出来ていたのでした。
正直、子供心に、なぜ、自分だけが父親の暴力の餌食になるのか…。
理不尽な思いにとらわれ、鬱屈した心理状態でいました。
四人兄弟です。
子供時代は私一人に暴力が集中していたのでした。
他の兄弟に比べて、容姿も成績もパッとしません。
その上、機転や愛嬌もある華のある彼らに対して、おどおどとして、陰気な私は、周りの大人からも見向きもされませんでした。
父親も容姿に恵まれ、非常に愛想のいい人物です。
隠れて、子供に暴力を振るう、なんて、誰も信じてくれなさそうな状況でした。
母親がいくら優しいとは言っても、自分は子供ですから。
父親を諫めて、守ってほしい、と母親を恨む気持ちもありました。
父親に嬲られ、絶望して、闇の世界に意識が飛ぶと。
決まって、ルシフェルさんがじっと私を観察して。
ル「お前がここに来るのに、まだ早い。戻れ。」
そう言って、私を現実世界へと戻してくれていて…。
私は、微かに彼の華麗な容姿を覚えていて。
(あのお兄さんは誰なんだろう…。
こちらの世界の方が、まだマシだから。
病弱な自分だけれども、頑張って生きよう…。
お父さんは、反面教師にして、ああいう大人にならないようにしよう…。
きっと、あの綺麗なお兄さんはヒーローなんだ…。)
子供心に私は、彼に淡い憧れを抱いていたのでした。
ミカエルさんや、ラファエルさんと愛し合っていると、そんな子供時代の記憶が蘇ってきて。
私自身は、ルシフェルさんに悪魔、という印象は似つかわしくないのではないかと考えていたのでした。
…しかし、ミカエルさんやラファエルさんへの暴言は凄まじく。
私は、怒り心頭に達していたのでした。
ベッドに横になり、フォーカス21のフリーフローを聴きます。
目的地は、闇の世界。
砂漠の谷間に存在する、魔王が棲む宮殿。
愛する彼らの忠告は無視しました。
私の単独行動です。
私個人だけならまだしも、愛する者を傷つけられて、黙ってはいられません。
フォーカス21で私は宣言します。
私「ルシフェル!お前を必ず、ぶっ飛ばす!!」
